作業療法ってなに

精神機能の障害によって生活に支障のある方々に対して、その方が選んだ場所で、その人らしく暮らせるよう、お手伝いいたします。

当院の作業療法は、患者様の疾患に即した治療プログラムをもとに、各作業療法士が趣向を凝らした活動種目を展開しています。

目的

  1. 疾患による病状の安定
  2. 日常生活の援助
  3. 対人関係の改善
  4. 退院後の社会生活の援助

作業療法の紹介

何かを作り上げるってすばらしい!!

作業療法では裁縫、革細工、ビーズ細工、木工、絵画、工作、陶芸、園芸など様々な作業を提供しています。「結構上手くできた」「あんまりうまくできなかった」「プレゼントに」「次はちょっと凝ってみようかな」などなど様々なことを感じていただきます。出来上がった作品は患者様の心の形。ものを作る嬉しさや楽しみを思い出していただきその思いを大切にしていきます。

人と付き合うのはチョット苦手・・でもちょっと喋りたい

人間関係が大事だとは言うけれど、なかなか難しいし、ストレス・・
作業療法は集団プログラムで行うことが多いため、自然と、無理なく会話ができたり、人との距離などを改めて感じる事が出来ると思います。それは人と関わることの素晴らしさをもう一度学ぶ事が出来ます。

一人ひとりの課題は違う

集団で行う事が多い作業療法ですが、もちろんその中で個人個人の課題も提供させていただきます。退院後に必要な、料理、掃除、興味を持つ、再就職、体力回復、買い物に行くことが出来る。ストレスのコントロールなどなど患者様ひとりひとり課題は全く違います。退院後にその経験が身についていただけるように実践しています。

意外とできちゃった

活動の中には、全くやったことがない作業に出会うかもしれません、「難しい」って思ってたけど意外とできた。「たくさんの中は苦手だなー」って思ってたけど楽しいな。このような経験から、自分自身を見つめていただきます。

自分らしい回復って

作業療法はその人に合った作業を提供することで、その人らしい生活の獲得を目指していきます。様々な作業療法を入院中に行うことで、日常の過ごし方を考えていただくきっかけを提供させていただいています。

出来ないときは出来ないんだもの

病気や疲労によって、普通に生活を送ること、笑うこと、楽しむこと、考えること、努力することなどが出来なくなってしまう時期があります。
その時期にあった作業を提供することで、無理なく作業を行っていただき普段の生活を取り戻す手助けを行っていきます。

治療なんです

作業療法は治療です。だから治療費もかかります。
生活に密着したとても大切な意味のある治療法です。
生活の中で作業療法することできっと何かを発見するはず。

作業療法士

国家資格である作業療法士は、医学的な知識はもちろん、福祉、心理など様々な知識を学んでいます。それらの知識をもとに幅広い視点で作業療法の参加者一人ひとりに最大限の治療を行っていきます。
当院の作業療法士は、「まごころ」を理念に参加者と日々向き合っています。
平成28年4月現在、作業療法士12名が勤務しております。

活動内容

どんな作業があるの?
  • 作る
    洋裁・編み物・革細工・陶芸・工作・籐細工・絵画・塗り絵・木工・園芸・料理
  • 外出
    散歩・買い物・院外レクリエーション
  • 楽しむ
    映画鑑賞・カラオケ・卓球・体操(レクリエーション)・読書・音楽鑑賞
  • 退院に向け
    その方に応じております。
    例えば、掃除・料理・買い物・社会生活に向けての相談など
  • 行事
    秋祭り
医師、看護婦(看護士)、一般職員も参加していただき楽しく行っています。

精神疾患の作業療法

精神療法や薬物療法と並行して、病気により心のエネルギーを失ったり不安定となった状態から、安心・安全を感じて生活のリズムを取り戻し、自分にあった生活を組み立てていくことを目標に行います。

作業療法は、手工芸・編み物・陶芸・農耕・園芸・木工などの生産的活動、スポーツ・レクリエーション・ゲーム読書・音楽などの楽しみや癒しの要素を含む趣味的・娯楽的活動、外出・買い物・調理などの社会生活に向けた活動などを行っています。また、日帰りキャンプ・秋祭り・スポーツレク大会・新年会など、季節ごとにはスタッフも一緒に楽しみながら互いに協力して行事を行っています。

身の回りや日常生活をはじめとする様々な場面での活動を通して、自分のことを理解して、人と相談・協調したり、上手に援助を求めたりすることを体験するなかでリハビリテーションが進められます。病気による症状やストレスに悩まされることがあるなかでも、過度に閉じこもることや混乱を避けながら、できるだけ生活感・現実感や楽しみを感じながら安心して過ごすことができ、社会生活にもつながればと思います。

医師、看護婦(看護士)、一般職員も参加していただき楽しく行っています。

認知症の作業療法

認知症の作業療法では、中心症状があるなかでも不安を和らげて、二次的な周辺症状を少なくし、安心感があるなかでその人らしい生活を取り戻し、維持していくことを目標に行っています。

リハビリテーションの内容は、食事・排泄・身だしなみなどのケアの場面から、各種の創作活動や園芸などの作業療法、回想法・レクリエーション・音楽など幅広く、一人一人の症状や不安の強さなどに応じた関わりが求められます。

無理なく自然に日常生活や活動に取り組むなかで、安心して、自分に関心を持ち、人と一緒に過ごし、笑顔を見せたり、楽しみを感じて表現したりすることを通して、より良い生活の質・リズムを目指したリハビリテーションを進めていきます。

また、狭く少なくなりがちな生活空間や人との交流・情緒的体験の機会を維持するためにも身体機能のリハビリや活動的な生活により、心身両面の廃用性機能低下を防いで、基本的な運動能力・生活能力の維持を図ります。

活動の場面では、生け花や歌の腕前を披露して自慢げな表情やレクリエーションでのこぼれんばかりの笑顔を度々見せていただけます。残されている健康的で豊かな生活につながる能力に多くアプローチし、問題行動が増えて家庭でのケアが難しくなり、入院治療を経て退院し、デイケアに通いながら家族とともに住み慣れた家で永く過ごすことができる生活そのもののリハビリテーションにつながればと思います。

医師、看護師、一般職員も参加していただき楽しく行っています。

アルコール依存症の作業療法

アルコール依存症の作業療法では医師、看護師、などのスタッフと共にARP(アルコールリハビリテーションプログラム)を提供しています。

当院ではアルコール問題を抱える方を対象に3ヶ月間のARPを提供しています。

静養から学習・社会復帰という段階の中で、医師の講義や読書会などアルコール依存症に対する正しい知識を身につけ、テーマミーティングでお互いの体験談を話し合い、時にはレクリエーションを交えながらお互いの断酒生活へ向けてスタートしていきます。さらに当院では内観療法も行っており、ARPとの併用することによって、断酒率の高い治療を行っています。