クロザリルについて
クロザリルは治療抵抗性統合失調症の治療薬です。
クロザリルは、現在、唯一、治療抵抗性統合失調症に効果があると認められているお薬です。
ひらたく言えば、他の薬を使って効果がなかった人に、効果を期待して使えるお薬です。
世界的な過去の使用経験から、副作用を早期発見して対応できるような仕組みが構築され、日本では、CPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)委員会が認可した医療機関でしか処方できません。
治療抵抗性とは…
適切な量の複数の抗精神病薬を一定期間以上服用しても、治療効果がみられない、または副作用のため必要量が使用できない場合、「治療抵抗性」と呼びます。
三和中央病院では、2012年4月に認可を受け、さんクリニックでは2014年9月に認可を受けました。
長期入院中であった人が、クロザリル服用後退院可能になったり、通院中の人が入院してクロザリル服用を開始しその後さらに改善して通院に戻ったり、と大きな効果がみられています。
クロザリルについてのQ&A
クロザリルを服用するには、事前に、服用可能な条件(たとえば、単に統合失調症であるだけでなく、治療抵抗性の基準を満たすかどうか等々)に適合しているかどうかを確認する必要があります。
●三和中央病院、さんクリニックで可能です。
●適格性が確認されれば、治療開始は入院して行います。
●原則として18週の入院が前提となりますが、諸条件を満たせば、4週目以降の退院も可能です。
●入院は三和中央病院で可能です。
●その後の通院は、三和中央病院、さんクリニックのどちらでも可能です。
早期発見、対応が必要な副作用である、白血球減少(→無顆粒球症)が、服用開始18週までに発生しやすい(70~90%)というデータから定められています。
上記白血球減少(→無顆粒球症)・・・・・0.5~2.6%
高血糖、糖尿病関連・・・・・1.3~5.2%
心筋炎等の心臓関連・・・・・まれ
てんかん発作・・・・・まれ
その他
治療抵抗性統合失調症の方の約60%に効果が認められたという報告があります。